〔からだチェック〕/94 脱毛症=塚崎朝子
2012.06.19 エコノミスト 1頁 第90巻 第26号 通巻4234号 104頁 

 ◇男性型は飲み薬で治療

 年齢を重ねるにつれ、毛髪の量が多少なりとも減少していくのは、抗し難い自然現象である。しかし、脱毛の中には、医学的に対応ができるものもある。
 毛髪は、数年単位の周期で生え替わる。毛穴周囲の細胞(毛包)は、その成長期には細胞増殖・分化を繰り返して伸びていくが、その後は退行期から細胞分裂をしない休止期に入り、次の成長期に入るまでの数カ月の間に、古い頭髪が抜けて新しい頭髪が生まれてくる。
 加齢とともにこの周期は短くなり、自然に抜け落ちる毛髪が増える。一方、男性型脱毛症(AGA)は、頭頂部や前頭部で成長期が短くなり、硬毛の代わりに生毛のような軟毛になって成長しない。さらに進むと毛髪が出現しなくなる。遺伝的要因が関わり、思春期以降、20~30代で目立ってくる。抜け方のパターンが違うが女性もなる。この他、自己免疫の異常や薬剤により起こる脱毛症もある。
 皮膚科を受診すると、抜け方のパターンや年齢などを考慮して、診断する。
 軽症の脱毛の場合は、血行を良くする塗り薬(処方薬・市販薬とも)で改善が見られることもある。AGAが中等症以上に進むと、プロペシアという飲み薬がある。保険適用になっていないので、月に1万円ほどの自己負担が必要になる。
 AGAは、男性ホルモンであるテストステロンが、脱毛物質を作り出すジヒドロテストステロンに変化することで起こる。プロペシアはこの働きをブロックする。女性への効果は認められていない。妊娠期に服用すると男性の胎児に異常を起こす恐れもあり、使用禁止である。
 即効性はないが、服用者の約8割は一定の効果が現れており、満足度は高い。見る見る毛髪が伸びてこなくても、脱毛の進行は止まることが多い。中年以降も軟毛があればそれを活性化させる効果が認められている。
 性腺ホルモンに与える影響から、やや精力の衰えが見られる人がいるくらいで、深刻な副作用はない。ただし、前立腺がんのマーカーであるPSAの値が半減するので、50歳以上は服用前に測定しておき、服用中も注意が必要だ。この他、保険適用外の美容外科で、後頭部から毛包ごと毛髪を移植する治療もある。

 ◇自己免疫が関わる円形脱毛症

 円形脱毛症は、自己免疫の異常で、自ら毛根を攻撃してしまうことで起こり、ストレスなどが引き金になることがある。外用剤で治る人がいる一方、急速に広がり、眉毛まで抜け落ちて、治しにくい場合もある。必ずしも円形とは限らず、線状や帯状に抜ける場合もある。
 保険治療で、炎症を止めるステロイド剤を飲んだり、塗るなどするものがある。皮膚への悪影響を抑えた紫外線を当てる療法が有効なこともある。また、保険適用外で、特殊な物質でわざとかぶれを起こさせ、新たな発毛につなげる治療もある。一時的なカツラ使用がストレス削減につながり、症状が改善される人も。
 一方、抗がん剤やC型肝炎治療薬のインターフェロンなど薬剤による脱毛は、その使用をやめると、毛髪が戻る。脱毛症の予防は、薬剤や化学物質などで過度の刺激を与えず、こまめに汗を拭き、就寝前に頭皮の皮脂や汚れを落とすことも重要だ。
 進化の過程で体毛は失われたが、毛髪には頭皮やその下の脳を保護する役割がある。幹細胞を用いた再生医療の研究も進められており、期待が寄せられている。(塚崎朝子・ジャーナリスト)

 ◇ワンポイント

 東京医科歯科大学医学部附属病院 皮膚科 西澤綾・助教
 「脱毛症は治療可能なもの、進行を遅らせられるものもあるので、皮膚科で適切な診断と治療を受けてください。頭皮が汗や皮脂で汚れると、毛穴がつまったり、雑菌が繁殖しやすくなり、毛髪の成長が妨げられ、脱毛の原因になります」
毎日新聞

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