加齢に伴うホルモン変化により発症する前立腺肥大症。60歳超の男性の半数以上に、70歳では90%に認められ、膀胱からの尿流が妨害されることで 頻尿や尿意切迫、夜間多尿などの症状が表れる。発症には、テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5α-還元酵素の活性低下や、膀胱頸部および 前立腺部尿道の過剰な緊張が関与しており、ソーパルメットやピジウムなどのサプリメントによる症状の緩和が報告されている。


患者さんからサプリメントのことをよく聞かれるけれど、どう答えていいかわからない──。そんな経験はありませんか? この講座では、「メ ディカルサプリメントアドバイザー認定講座」の教材から、サプリメントの安全性や有効性、作用機序、副作用、禁忌、相互作用などに関する最新情報をピック アップして、薬局窓口でサプリメントに関する中立的なアドバイスを行うために必要な基礎知識を学んでいきます。


サプリメント選定のヒント

【ソーパルメット(ノコギリヤシ)】

 ソーパルメット(ノコギリヤシ)は、アメリカ東沿岸に自生する低木のヤシ。その熟した果実からの抽出物がサプリメントとして市販されてい る。ソーパルメットは欧州などで、病期-機銑供雰攵匹覆い恵翕y症)の良性前立腺肥大症の治療に使用されており、夜間頻尿や尿勢低下など前立腺肥大症の症 状に対する改善効果が、複数の臨床試験で検証されている。

 臨床研究を網羅的に評価する国際プロジェクト、コクラン共同計画は、ソーパルメットをプラセボや前立腺肥大症治療薬と比較したランダム化 試験の系統的レビューを行っている1)。ランダム化比較試験21件(対象患者総数:3139人、試験期間:4~48週)を集積し、メタアナリシスを行った 結果、プラセボと比較してソーパルメット服用群では尿路症状や尿勢(尿流動態)、自覚症状のいずれにおいても、改善度が有意に高いことがわかった。また、 前立腺肥大症治療薬のフィナステリド(日本での商品名:プロペシア、日本では前立腺肥大症への適応はない)と比較した試験では、国際前立腺症状スコア (IPSS)で評価した尿路症状とピーク尿流のいずれも、ソーパルメットの服用群でフィナステリド服用群とほぼ同等の改善効果が認められることが明らかに なった。

 以上より、ソーパルメットは尿路症状と尿流量に軽度から中等度の改善をもたらすと結論付けられているが、前立腺肥大症の重症度が高いと効 果が見られないことがある。患者にソーパルメットの使用を相談された場合は、まず重症度を確認し、必要に応じて医療機関の受診を勧奨すべきである。また、 夜間頻尿の緩和や尿流量の増加など生活の質(QOL)の改善が生じるまでには、摂取を開始してから通常1~2カ月を要することをあらかじめ説明すべきだろ う。なお、ソーパルメットを前立腺肥大症の症状改善に用いる場合は、ステロールと脂肪酸の含有量(リポステロリック含量)が80~95%になるよう規格化 した抽出物の使用が推奨されている。

【β-シトステロール】

 β-シトステロールは、植物に含まれるステロール(ステロイド骨格を持つアルコール)の一つ。構造的にはコレステロールと類似しており、 果物や野菜、大豆、パン、ピーナツ、オリーブオイル、亜麻仁などに含有されている。先に紹介したソーパルメットの抽出物にも主成分の一つとしてβ-シトス テロールが含まれており、前立腺肥大症の症状改善に関与する成分の一つと考えられている。

 良性前立腺肥大症患者177人を対象に、ドイツで行われた多施設共同試験では、β-シトステロールを主成分とするマツ科植物抽出物(商品 名:Azuprostat)130mg/日またはプラセボを連日、6カ月間投与して、症状などの変化を調べた2)。その結果、β-シトステロール群ではプ ラセボ群よりも有意にIPSSやQOLスコアが改善、最大尿流量の増加や排尿後の残尿量の減少も認められた。

 なお、β-シトステロールには血清コレステロール値の低下作用があることも報告されており、日本では、脂質異常症(高脂血症)の患者向け 商品として販売されていることが多い。ただし、この場合の1日量の目安は800mg(分2~3で摂取)であり、前立腺肥大症の改善目的で用いる場合よりも 多いことに注意が必要である。

【ピジウム】

 ピジウム(Pygeum africanum、Prunus africanum)は、アフリカに自生する高木常緑樹。その樹皮から抽出 した成分は、古来から全身性の尿路障害や炎症、腎臓病、胃腸障害の改善や解熱に使用されてきた。前立腺肥大症の諸症状に対する改善効果が注目されるハーブ の一つであり、複数のランダム化比較試験で臨床症状の改善効果が報告されている。

 コクラン共同計画による系統的レビューでは、18件のランダム化比較試験(患者総数:1562人)のメタアナリシスが行われている3)。 それによると、ピジウム群では全般的な自覚症状の改善を報告する人がプラセボ群の2倍以上あり(相対リスク:2.1、95%信頼区間:1.4~3.1)、 夜間頻尿は19%、残尿は24%減少し、最大尿流量は23%増加することがわかった。

 日本では、パイゲウムあるいはアフリカプルーンとも呼ばれており、前立腺肥大症向けのサプリメントに、ソーパルメットやパンプキンシード(Cucurbita pepo)、ネトル、ビタミンAなどとともに配合されていることが多い。


▲ソーパルメットが向く人
・病期-機銑供雰攵匹覆い恵翕y症)の良性前立腺肥大症
▲ソーパルメットが不向きな人
・出血リスクが高い・血圧が高く、不安定・ホルモン治療を受けている・手術の予定がある


▲β-シトステロールが向く人・コレステロールが高めの人▲β-シトステロールが不向きな人・マツ科アレルギー


▲ピジウムが向く人・病期-機銑供雰攵匹覆い恵翕y症)の良性前立腺肥大症
▲ピジウムが不向きな人・特になし


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