神様は不公平である。一方では髪がフサフサの人間を創っておきながら、もう一方ではハゲハゲの人間も創ってしまった。もちろん、人間として生きる上でハゲは圧倒的に不利である。

 とにかくハゲは見苦しい存在である。一見してハゲはダサく、頼りなく見えてしまう。もちろん、ハゲの当人にとって重大な問題だ。ハゲていることで人前に出るのが気恥ずかしくなり、自信を失い、行動も消極的になりがちだ。

 よってハゲは出世できないし、女にもモテない。さらにはこんな話もある。役所の社会福祉課の担当者が言う。
「弁護士や司法書士に連れられて、生活保護の申請に訪れる人の80%以上がハゲています。うつろな目でトツトツと生い立ちから語ってもらうと、ハゲの多くはこれまで定職にも就けず、結婚暦も身寄りもいません」

 人はハゲになると、幸せを望めず、惨めな人生を送るしかなくなるのである。

 最近の政界で台風の目となっている橋下徹大阪府知事にしても髪はフサフサ。同じく改革派知事として辣腕を振るっていたハゲの東国原英夫元宮崎県知事が宮崎での高支持率から調子に乗り、うっかり東京都知事選に立候補し、石原慎太郎現都知事にあえなく返り討ちに遭ったのといかにいも対照的だ。小泉純一郎元首相だって、ハゲていたら改革は断行できたか。答えは「否」だ。

 だが、数は少ないものの、ハゲでも成功者は存在する。ハゲの成功者の筆頭格と言えば、ソフトバンクの孫正義社長だろう。世界を変革した夢の電話、iPhoneを日本で提供し、ソフトバンクを大躍進させた。経済誌『フォーブス』の世界長者番付2011年版によると孫社長の総資産は6723億円とされている。孫社長は日本の歴史上、もっとも成功したハゲと言って間違いないだろう。

 だが、孫の成功の起爆剤となったiPhoneの日本における独占販売は、同じくハゲのアップルのスティーブ・ジョブズ社長との特別な関係があったからこそ実現できたものだ。ジョブズ社長と孫社長は、古くからの友人関係だったというが、ハゲ同士というものは仲良くなりやすいものだ。「亜鉛が効くらしいですよ」「イソフラボン飲んでます?」などと、ハゲは常に互いの薄毛改善情報を交換し合っており、友情も芽生えやすい。携帯電話シェアがトップで実績のあるNTTドコモを押しのけて電波が繋がりにくいソフトバンクがiPhoneを獲得できたのは、ジョブズ社長と孫社長の親密なハゲコネクションがあったからである。

 ところが、そのソフトバンク成長の原動力だったiPhoneもauから販売されるようになった。この判断を下したのは、ジョブズ社長が病気で体調を崩したために昨年からアップルの実権を握ることになったティム・クックだ。クックはハゲではない。フサがハゲを見限った格好となった。iPhone独占を失ったソフトバンクは、これから業績の急降下が懸念されている。やっぱりハゲはツ詰めが甘かった。

 ちなみに孫社長は自身がハゲていることをかなり気にしているようだ。以前、孫社長がツイッターで明らかにしたところによると、アイスクリームの「ハーゲンダッツ」のことを家族に「ダッツ」と呼ばせているそうだ。理由は「名前が良くないので」とのこと。

 孫社長のような億万長者になっても、ハゲはNOなのである。ハゲたら、すべてが終わる。すでにハゲてしまっているならば、治すべきだ。ハゲていなくとも、ハゲを未然に防止するすべを知っておくべきである。
 では、ハゲはどうすれば、治るのか。億万長者の孫社長ですら、ハゲを退治できないのである。庶民のわれわれにできることはあるのか。

 実はかく言う筆者も長年、薄毛で悩み、これまでに様々なハゲ対策を試みてきた。
 まず、若いころに飛びついたのが、花王の育毛トニック「サクセス」。値段が安いので使ったことがある人は多いと思う。頭にスプレーすると、地肌がスーッとして気持ちがいいが、効果は実感できず。こんなものは気休めである。

 次に試したのは、育毛シャンプーの「スカルプD」。吉本のお笑い芸人やSMAPの草薙くんや中居くんのCMでおなじみだろう。シャンプーということで入手しやすく、また、値段が高いこともあって「効きそう」という印象を持ったが、効果は実感できず。最近のバージョンのものは分からないが、以前、使った際は、髪がキシキシして、くせ毛が強調されるなど、筆者の髪には合わなかった。

 本格的に頭髪を気にし始めてから、使ったのが「リアップ」である。派手にCMが流されていることもあり、知名度から言うとナンバーワンの発毛薬だろう。だが、頭に毎日2回、薬をすり込むという作業はかなり面倒だ。さらに、筆者の場合、毛髪が細く猫っ毛であるため、頭皮に薬剤を塗り込むことで皮脂が髪にまとわりつくせいか、髪全体がペタっとして余計に薄毛が目立ってしまう。リアップの効果は医学的に実証されているとのことだが、筆者には向いていなかったようだ。

 お笑いタレントの水道橋博士が推奨しているのが育毛シャンプーの「プログノ」だ。発売元はヘアコンタクトで知られるプロピアで、配合されているプロテインが髪に効果があるという。使ってみると、髪がふわっとして、ボリュームが出た気がしたが、使い続けても目立った効果は感じられなかった。知り合いが試して「抜け毛が減った」と話しているので、人によってはいいのかもしれない。

 育毛シャンプーでは、韓国で話題の「デンギモリシャンプー」がおすすめだ。キャッチコピーは「育毛大国韓国で生まれたシャンプー」。「デンギモリ」とは、三つ編みという意味だそうだが、なかなかインパクトのあるネーミングだ。高麗人参などの漢方薬が配合されていて、地肌に栄養を染みこませ、血行を改善し、発毛を促すという触れ込みだ。使い始めてから間もないので、発毛効果の方は分からないが、使ってすぐに髪にコシが出てボリュームが増した。だが、床屋のヘアトニックのようなニオイがかなり強烈だ。1週間も使っていれば慣れてくるが、本人は慣れても周囲にはオッサン臭さをまきちらすことになる。ニオイを抑えた日本仕様の「デンギモリ氣シャンプー」があるので、そちらを使った方が賢明だろう。

 その他、薄毛対策グッズは山のようにあるが、その大半は怪しげで、効果は実感できず、1つ1つ試していると金ばかりかかってしょうがない。何かいいものはないのか。一番いいのは、実際にハゲの治療に成功した人から、秘密を聞き出すことだ。

 実は私の知人H氏は、ハゲを完全克服したひとりである。どうやって、ハゲを治したのか。
 筆者は半年ほど前、喫茶店での打ち合わせの際、H氏を前にこんこんと説教をしたことがある。
「キミね、若ハゲでは出世できないんだよ!」

 当時のH氏は、30代前半というのにかなり頭頂部が薄くなり、ほぼカッパ状態。だが、H氏は「ボクの親もハゲています。遺伝の影響でハゲの進行は止められません」とあきらめ顔であった。

 ところが、それから3ヶ月ほどして筆者はH氏と再会して驚いた。以前のハゲは影も形もなくなり、見事に頭髪が復活し、フサフサになっていたのだ。一体、どうしたのかと筆者も問いただしたくもなったが、あまりにも堂々としていたため、「ハゲって何ですか、汚らわしい。ハゲなんて見たこともないです」と言われかねないと思い、聞くのを思いとどまった。

 一体、H氏の髪に何があったのか。筆者から活を入れられたH氏は、すぐさま薄毛で悩む編集部関係者数人と連れだって薄毛治療の病院に駆け込んだという。それで処方されたのが、プロペシアという治療薬だった。

 H氏とともにプロペシアで薄毛治療に取り組んだもう1人の関係者も見事にハゲが治っている。現代医療はついにハゲを退治することに成功しつつあるのだ。

 とはいえ、「プロペシアが劇的に効くのは、4人に1人に過ぎない」(治療医)とも言われ、その効果には個人差がある。人によっては、現状維持にとどまるだけだったり、まったく効かないケースも少なくない。

 だが、プロペシアを超える発毛力がある、現時点でもっとも有効なハゲ治療の最終兵器とされる薬が世の中には存在している。その名も「ミノキシジルタブレット」。略して「ミノタブ」である。ミノキシジルとは、画期的発毛薬として一時期、注目されたリアップの成分で、ミノタブはそれを内服薬としてタブレット(錠剤)にしたもの。

 ネット上には、何を試してもハゲが治らなかったという人がミノタブを服用してフサフサになったという報告が多くアップされている。俳優の温水洋一クラスのハゲから完全回復したケースも少なくなく、匿名掲示板では「このままの調子で髪が生えてくると額がなくなってしまう」「飲んで朝起きたら、狼男になっていた」などという体験談が書き込まれている。

 だが、うまい話には必ずワナが付きものだ。ミノタブもその例に漏れない。ミノタブの問題は副作用が強烈すぎるということだ。そのため、厚生省は発毛薬として認可しておらず、日本ではインターネットで海外から個人輸入しなければ手に入らない。

 では、ミノタブにはどんな副作用があるのか。頭髪だけでなく全身の体毛が濃くなる、顔などがむくむなどの副作用が報告されているが、最大の問題は心臓に負担がかかりすぎるということだ。ミノタブはもともと高血圧の患者が一時的に飲む血圧降下剤だ。血管を拡張して、血圧を低下させる作用があり、低血圧の人が飲むと、心臓に負担がかかってしまう。そのため、吐き気や動悸、息切れ、めまいに襲われる場合がある。ミノタブは別名「死の発毛薬」とも呼ばれており、最悪の場合、心臓発作で救急車に運ばれたというケースもあるという。

 実は筆者も薄毛で悩んでおり、ミノタブを服用したことがある。ところが、3日間服用しただけで異常な動悸に襲われ、ダウンしてしまった。血管が過度に拡張したためか、運動もしていないのに、心臓がフルに活動し、血液を循環させようとする。これが丸1日以上も続くのだから、心臓が悲鳴を上げてしまった。ミノタブの服用をストップしても、心臓の疲労は収まらず、何日も心臓に違和感が残り、仕事にも支障を来した。

 ところが、である。気が付くと、腕の体毛が妙にフサフサになっているではないか。毛の根元が立って、長くなっているのだ。頭髪の方は有意な変化はなかったが、あのまま服用を続けていれば、発毛が頭髪にも飛び火していフサフサになっていたかもしれない。その前に心臓が破裂して、死んでいる可能性も高いが、使用量を抑えれば何とかなるかもしれない……。

 と、「たら」「れば」をいくら考えてもキリはないが、ともかく強力な薬なのである。厚生省の認可が下りていないこともあり、ハッキリ言って、おすすめはできない。だが、「ハゲのまま生きるくらいなら、死んだ方がマシ」と思い詰めている人が自己責任で使用することは否定できない。

 いずれ医療の進歩によって、ハゲ問題が完全に解決され、この世からハゲがいなくなる日が来ることを祈りたい。

●コラム

・プロペシア
「AGA」のCMで「お薬があります」と言っているのは、基本的にはこれのことを指している。抜け毛の原因である男性ホルモンを抑制し、発毛を促進する。1mgを1日1錠、服用する「飲む発毛薬」であり、続けやすい。

・フィンペシア
一般的に知られる発毛薬として、もっとも普及しているのがプロペシアだが、通院して医者に処方箋を書いてもらう必要があって面倒だし、月の薬代は1万円以上もかかり、経済的な負担も大きい。そこでおすすめしたいのが、フィンペシアだ。フィンペシアはプロペシアと同じ発毛成分が含まれるインドの薬で、インターネットで個人輸入できる。値段は300錠で5000円程度。医者から処方される最も安いプロペシアと比べても、10分の1以下とお手頃だ。

・ミノキシジルタブレット
リアップにも含まれている成分、ミノキシジル。効果は立証されているが、どうして効果があるのかについてはまだ解明されていない。ミノキシジルは頭皮に注射するのが一番効果があるとも言われるが、治療費も高いし、しょっちゅうクリニックに行くわけにもいかないので、タブレットで飲むのが現実的。とはいえ、内服薬としてのミノキシジルはかなりの劇薬であり、副作用が気になる。動物実験で犬に投与したところ、心臓が破裂して死亡し、内服薬として売り出せなかったとも言われている。いろいろな意味で心臓の強い人にしかおすすめはできない。

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